・タイトル:好きで働くのがキライな訳じゃない
・作者:マヤの小洒落た雑貨屋さん
・ジャンル:経営シミュレーション
・プレイ時間:4~5時間
・お勧め度:★★★★☆ 4
最適な仕入れ計画を立案せよ
ニートな主人公がお店経営を始める、といったある意味ありきたりな設定。但しこのゲームが他と一線を画しているのは、仕入れ作業や店番などの面倒な作業はすべてNPCに任せ、自分は何もしない(けど儲かる)状況を作り出す事を目的にしていることだ。
遊んで暮らしてお金だけは入ってくる、といったニートの理想郷を目指す社会不適合者の奮闘を描いた一大奮闘記…という訳でもなく、主人公は常に無気力、やる気なし。
ゲーム設計も面白い。主人公がやることは、自分の店で販売する商品の仕入れ指示をするだけ。店の売価や売り上げ量は商品によってそれぞれ決まっているため、ランダム要素もなく、最適解を見つけるために試行錯誤をするところに面白さがある。
仕入れを担当する荷役(ネコ)にも個性があり、移動が速いが運搬量が低いものや、その逆もあり、適材適所を考えるのもこのゲームの醍醐味。様々な要素を鑑みて一番良い組み合わせを選択すればよいのだが、一筋縄ではいかない適度な難易度。
さらにこのゲームをユニークにしているのが「労働意欲」のパラメータ。これは主人公の行動可能日数を表しており、ゲーム期間3年に対してなんと1年分しか与えられていない。まさにニートの行動力を体現した値になっているのだが、これが程よい緊張感をもたらしている。町から町へと移動している間も容赦なく減っていくので、可能な限り主人公の移動を少なくするリソース管理の視点が必要になってくる。
上記のようにやり込めばとことんやりこみが可能なほど懐が深いゲームだが、クリアするだけなら難易度はそこまで高くない。ノーマルエンド後のヒントを見れば、グッドエンドに到達するのは難しくはないだろう。一つだけ注意点を上げるとすると、現在資金がマイナスになるとその時点で強制ゲームオーバに。下手すると嵌るので資金が潤沢ではないうちは無理な仕入れはしないようにしよう。
総評
計画通りにキャラがうごくのを見てニヤニヤできる人にはお勧めのゲーム。システムの複雑さもあり取っつきにくさはあるが、一度ハマってしまえば面白さは相当なもの。一風変わった経営ゲームを遊んでみたい方は、是非とも一度プレイしてみて欲しい。