・タイトル:ドールリコレクト
・作者:ルファベー 様
・ジャンル:推理デスゲーム
・プレイ時間:8時間
・お勧め度:★★★★☆ 4
前作から大幅にレベルアップした推理デスゲーム
「フィギュアディテクト」と同じ作者による推理デスゲーム第2弾。前作と比較して質、ボリュームともに大幅レベルアップ。完全クリアまでに8時間程度かかるためやりごたえは相当のもの。
ゲームスタイル自体は前作とほぼ同じ。差異があるとすると、主人公と記憶を共有できるドールと思い出を組み合わせる事で新たな証拠を作る、というギミックが追加されたことぐらいか。最もこの件もシステムとしは枝葉に過ぎず、本筋は証言に対し矛盾する証拠を突き付ける逆転裁判風のスタイルであることは変わりない。
舞台設定は魔女(とその従者)によって閉じ込められた空間での多人数による推理ゲーム。魔女、主人公(人間)、ドールという3陣営が存在し、詳細は省くが各陣営にとっての勝利条件に相当するものがある。基本は魔女vs主人公+ドール、という図式になるのだが、各陣営の思惑が交差するのが面白い。
ネタバレになるので詳細は伏せるが、最後の事件に向けた伏線の張り方が素晴らしい。各事件はそれぞれ単独で成り立たせつつも、最後の最後で明かされる事実にはなるほどと唸ってしまった。初期の段階から緻密なプロット設計がなされている事に感銘。
敢えて難点を上げるとすると、ゲーム開始から最初の事件発生まで時間がかかる(30分程度)ため、導入部で止めてしまうプレイヤもそれなりにいるのではないか。言葉は悪くなるが、OPが少しチープ感があり、本編への導線という意味では若干弱い気がする。
また、この手の推理ゲームでは必ず付きまとう問題だが、作者が想定している回答(思考経路)にプレイヤが容易に辿り着けないケースがある。ここを簡単にしてしまうと歯ごたえがなくなり、難しくすると理不尽感を与えてしまうため、匙加減が難しい所ではあるのだが。私自身今回も選択肢総当たりで乗り切った箇所もあったため、設計として勿体ないと感じてしまう(テストプレイヤを増やせばその辺りの調整もできそうだが、フリーゲームでは中々と厳しい…)
総評すると、本編の推理は非常に面白いため推理ゲーム好きは是非ともプレイしてみて欲しい。切る切らないの判断はOPが終わってからにしよう!